フォーラム・セミナー

今年2回目の芝浦工業大学大学院での講義を開催しました

2023年10月9日

芝浦工業大学建築学部の志手一哉教授とCPDSのコラボで開講する大学院の講義「建築生産マネジメント特論1」第二日を開催しました。
CPDS普及啓発委員長である志手先生を主著者にCPDSが編集し昨年夏に出版した書籍『現代の建築プロジェクト・マネジメント』をテキストに、本の執筆やそれに至る委員会での議論に参加した各分野の実務者が大学院の修士1年生を対象とした講義です。

10月9日に行われた第2日、志手先生から「日本の建築産業の特徴と環境の変化」と題した講義を受講しました。前半は日本の発注契約方式の変遷。仏教伝来の時代に寺社建築の施工から始まった我が国の建設業は始め、朝廷が発注する官工事でした。開国後、明治時代の大工棟梁による一括請負からゼネコンが生まれ、下請、孫請の重層構造が発達します。戦後は建設業法・建築基準法等の法制度が整備され、高度成長期を経て建設投資額がピークの84兆円に達したのが1992年でした。
90年代以降はバブル崩壊、リーマンショック、阪神淡路や東日本の大震災を経験し、経済の衰退とあわせ建設投資も減少します。現代の建設業が抱える課題は労務者の高齢化と人材不足。外国人労働者に頼るのも限度があります。BIMの活用など建設業の在り方も改革が求められています。

志手一哉教授

小長谷哲史氏

第2講、小長谷氏の講義は「建築コストのプランニング・コストマネジメント」と題してお話し頂きました。小長谷氏は建設ポータルサイト「アーキブック」の運営者。建築費の構成と算出方法、建築プロジェクトのコストマネジメント、建築費が騰落するメカニズムについて解説し、建設市場の動向まで分析してみせました。学生のみならず、CPDS会員の社会人の方々にも有益であろう内容の濃い講義でした。
次回10月16日の講義もレポートします。

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