2024年1月31日
1月31日、第10回となるCPDSフォーラムをシェアスペースBLINK六本木で開催しました。ゲストはインデックスファシリティーズ取締役の古阪幸代さん。日本におけるFM=ファシリティマネジメントの第一人者のひとりであり、女性FM’erのリーダーです。
まずはご自身のプロフィール紹介から。理工学部の経営工学科を卒業して最初に就職したのは大手都市銀行。インターネットバンキングやATMの黎明期でした。その後1986年、日本に紹介されたFMに触れて経営に役立つと直感し、アメリカのコーネル大学に留学。シリコンバレーの企業でFMの実務経験を積みます。帰国後は銀行に復帰し、その後複数のコンサルティング会社を経て現職。日本FM協会=JFMAの初期から活動に参加し、1997年からは女性FM組織WFMを立ち上げ主宰しています。
「FMとは経営手法であり、人事・財務・ICTと並ぶ経営基盤のひとつである。単なる施設管理・維持保全ではない。」と強調する古阪さん。アメリカで掲げられたスローガン“from Boiler to Board” (ボイラーからボードへ)が象徴的です。
米国のFMがインハウス主体であるのに対して欧州ではアウトソース、シェアドサービス化が進んでいるそうです。欧米では経営に近いところまでアウトソースし過ぎて社内にノウハウが蓄積されないことが課題として挙げられました。日本はと言えばビル管理会社をはじめとするFMサービス会社の担う狭義のFMが独自に発展してガラパゴス化が懸念されるとのこと。
また、FMとPM(プロパティマネジメント)の違いとしてFMはインハウス・利用者視点、PMはビルオーナー視点という見方をあげられていました。
質疑応答では建築設計やワークプレイス作りのプロの方々から興味深い指摘が。我が国で働く人々のエンゲージメントの低さは働く環境も影響しているのではないか?FMという言葉の示す範囲が広くなり過ぎている、これに代わる適切な言葉はないか?BIMのFM活用は有効か?といった話題で話は尽きませんでした。参加頂いた皆様、ゲストの古阪さん、どうもありがとうございました。
次回のCPDSフォーラムは官民連携委員長・社会システムデザイン取締役の岡田孝さんをゲストに迎えて3月中に開催する予定です。