委員会

◆連載第1回「建築設計における海外デザイン事務所との付き合い方」

はじめまして。建築家の中島雷太と申します。今回から数回に渡り、CPDSでまとめました「建築設計における海外デザイン事務所との付き合い方〜 業務契約締結に向けてのガイドライン 〜」という小冊子のご紹介をさせて頂きます。

世界中に数年間に渡り大きな影響を及ぼしたコロナ禍も、「コロナ後」を見据えるフェーズに入ったかと思います。物理的な渡航が困難だった時期を乗り越え、コロナ禍で発達したリモートコミュニケーションも駆使しながら、これからの世界は新たな国同士のつながり方を発展させていくと思います。また自動翻訳などが発達し、情報のやり取りがほぼ瞬時で行えるようになり、「情報」という次元での海外とのつながりにほぼ障壁が無くなってきている今、ビジネスフィールドで異国、異文化、異なる商習慣を持つ地域との関係において、本質的な課題が浮き彫りになってくるのではないでしょうか?言葉の障害、商習慣の違いなどが障壁の原因と考えられてきた今までと違い、「外のもの(foreign)」とどう付き合うかという胆力というか人間力のようなものが試される時代になってきており、小手先の知識や理解で乗り切れない魂と魂のぶつかり合いのようなものがビジネスシーンでも求められてくるような気がします。すなわちそれが人間の人間たるものであり、AIなどの人工的なものに取って代わられない部分として、人間が担う役割として尊重され続けていくものの様な気がします。

ビジネスは、スポーツなどと同様にある決まったルールに則り当事者が物品やサービスをやり取りする行為です。しかし全く同じ仕事でも、国や地域が違うことでルールや慣習が違うことは広く見受けられる事象です。そんな中、建築・建設業界は世界を見渡しても土着色が強く、土地土地でのルールが大きく異なります。また国によって建築・建設業界の発展の歴史も大きく異なり、業界内の役割分担や様々な決まり事も違ってきます。各国を比べて、どちらが正しい、より良いと評価することは無意味で、どうお互いが一番効率の良いかたちで仕事に参画し、相互に満足のいく結果を生むことが出来るかが大切になります。言ってみればイギリスから遠征してきたラグビーチームとアメリカからやってきたアメリカンフットボールのチームが試合をするようなものなので、どっちのルールが正しいとか、なんでこっちのルールを理解しないんだと悩むより、どうやったら両チームが楽しく試合が出来るベースが作れるかを考えなければいけません。

日本の建築・建設業界は、海外諸国に比べると閉鎖的で、独自のしきたりを色濃くもつ業界です。今後さらに閉鎖的になっていくのか?それともなるべく広く海外から人材、サービスなどを持ち込んで国内の業界の発展につなげていくのか?は、避けられない設問として考えていくべきだと思います。今回は海外デザイナーを国内案件に招いた場合を想定し、契約(ルールつくり)の観点から、どうやったらお互いが気持ちよく理解と信頼を分かち合いながら仕事が出来るかを考えてみました。

  レポート「建築設計における海外デザイン事務所との付き合い方」はこちら

TOP